老化と糖質の関係

老化物質のAGE(AGEs)ってご存じですか?

AGEとは、Advanced Glycation End Products(終末糖化産物)の略で、糖とタンパク質が熱によってくっついた物質で、老化や病気のもとになる物質です。
体内の糖の量がAGEに大きく関係してきます。

 

ホットケーキを焼くと表面が茶色く変色しますね。
実はこれも糖質とたんぱく質が熱によりくっついて糖化という反応をした結果で、『メイラード反応』と呼ばれます。
このメイラード反応によってできた物質が私たちの体の老化の原因になっているということがわかっております。

 

AGEはどんな風に老化に影響するのか?

AGEは、皮膚や頭皮、毛髪に蓄積することによって、人の見た目を老けた印象にしていきます。
人は生まれた時から現在に至るまで、AGEの蓄積量がどんどん増加していきます。
それゆえに、お年寄りは、若者と比較してお肌にしわやシミが多いのです。

①お肌のコラーゲン繊維が劣化し、ハリを失いシミやしわをつくる

AGEは終末産物なので、一度AGEになると元に戻ることはなく体内にどんどん蓄積されていきます。
AGEは、肌のコラーゲン繊維に蓄積されやすく、それによりお肌のコラーゲン繊維は弾力を失い、シワやたるみを作ります。
また、AGEは焼いたホットケーキの表面と同じように、茶色い色素になりシミを作ります。

②薄毛や、髪の毛のハリやツヤが失われ、パサパサになる

髪の毛もほとんどがたんぱく質から出来ているので、糖質が付着しAGEが蓄積すれば、ハリやツヤがないパサパサの髪になってしまいます。
また、頭皮にAGEが蓄積すれば、薄毛の原因にも繋がります。

③AGEによる主な老化現象まとめ

皮膚のたるみ、しわ  骨密度の低下(→骨粗しょう症)  脳細胞の機能低下(→認知症)
組織の劣化(→ガン)  精力減退(→ED) 腎機能低下(→腎不全)

 

AGEは、①体内で作られるもの と ②食事から体内に入ってくるもの の2通りがある

①体内で作られるもの

AGEは糖質をもとに作られるため、血糖値が高い状態が続いた時に多く発生します。そのため、糖質を食べる量に気を付け、血糖値を高くしないことが大切です。
体内でできるAGEの量は、「血糖値×(高血糖状態の)持続時間」で表すことができます。

AGEが発生するのは、この食後高血糖の状態の時。
血糖値をあげたぶんだけ、AGEは増え、ヒトは老いていくと言えます。

②食事から体内に入ってくるもの

AGEは食品中にも含まれます。
同じ食材でも調理方法によってAGEの量は変わります。高温で長時間調理するほどAGEは増えるので、
揚げる>焼く、炒める>蒸す、煮る>生

の順でAGE含有量が高いです。同じ食材でも、なるべく調理温度の低い蒸す、煮るもしくは生で食べられるものは生で食べるなど工夫をすることで、食事から摂取するAGEの量を少なくすることができます。

 

AGEの蓄積をなるべく回避して、若さを保つ方法

①ジュースや甘いお菓子を控える

ジュースは液体であるため、血糖値を急激に上昇させるうえに、ジュースに含まれていることの多い「果糖液糖」「果糖ブドウ糖液糖」は、ブドウ糖の10倍の速さでAGEをつくるため、とり過ぎないようにしましょう。

②糖質摂取量を気にする

日本人は、糖質摂取量が多く、糖尿病患者も年々増加傾向にあります。
糖質を多く摂取すると、血糖値が高い状態が続き、それによってAGEが増加します。
極端な糖質制限はお勧めしませんが、1日の糖質摂取量を、今よりも少なくしていくと、老化予防に効果があります。
GI値(食品ごとの血糖値の上がりやすさを数値で示したもの)の高い食べ物ほど「食後高血糖」を招きやすいと言われています。
GI値の低い食品を選ぶ習慣をつけましょう。

③体内でAGEが作られるのを防ぐ栄養素を摂取する

・ビタミンB1 糖質の代謝を促す (豚肉、うなぎ、玄米、大豆など)
・ ビタミンB6 AGEの吸収を阻害(鶏ささみ、豚レバー、魚類など)
・ カテキン AGEの吸収を阻害 (緑茶など)
・ クエン酸 食品のAGE量を少なくする (酢、レモンなど)

④AGEの少ない調理方法を選ぶ

揚げる>焼く、炒める>蒸す、煮る>生

の順で調理温度が高いほどAGEは多くなるので、調理方法に気を付けて食事をするようにしましょう。